nanoCAGEライブラリー

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nanoCAGEライブラリー

nanoCAGE/CAGEscanライブラリー受託合成は、お客様からお預かりするtotal RNAサンプルからnanoCAGE/CAGEscanライブラリーを作製するサービスです。 従来のCAGE(Cap Analysis of Gene Expression)法では、対応できなかった微量サンプルからライブラリーを作製し、転写開始点の同定と遺伝子発現の解析を大規模に解析することが可能になりました。ダナフォームでは、シークエンス解析やデータ解析のオプションも合わせて総合的に研究開発をバックアップします。

nanoCAGE/CAGEscan法は、理化学研究所と共同開発したCAGE-seqを改良し、微量サンプルからのライブラリー作製を可能にした遺伝子発現解析法です。 nanoCAGE/CAGEscan法の際立った特徴は、CAGE-seqと同様に、転写物のプロモーターを正確にとらえて、これにもとづく発現プロファイルを取得できることです。

nanoCAGE/CAGEscan法は、RNAの5’末端から切り出した短いタグの配列を決定し、マップすることにより、タグ配列の頻度を数値化するものです。ダナフォームでは、次世代シーケンサーを用いた「CAGE-seqサービス」をご提供します。Illumina HiSeq2000/2500シーケンサーの1レーンを用いたシーケンス解析により、8-plex時に、サンプルあたり平均300万リードの解析結果が得られます。 CAGE-seqで得られた発現プロファイルは、各種発現解析やゲノムアノテーション研究における強力なツールとなります。

nanoCAGE法は解析のターゲットとなるRNA量が微量であっても遺伝子発現解析ができるため、神経系の細胞の解析や、がん細胞の解析にも適用できます。

nanoCAGE/CAGEscan法の主なアプリケーション

  • 少量サンプルのゲノムワイドな遺伝子発現解析
  • プロモーター部位の予測
  • 半定量的mRNA/ncRNA発現プロファイル

CAGE-seqとnanoCAGE/CAGEscan法の比較

方法 利点 欠点
CAGE-seq PCRによるバイアスのない正確な発現解析が可能。 解析に必要なtotal RNA:3 μg (植物などでは5μgを推奨)
nanoCAGE/CAGEscan 解析に必要なtotal RNA:50 ng(推奨100ng)。
3'側も同時に解析が可能。
ライブラリー作製の行程でPCRのステップが含まれる。

nanoCAGEライブラリー受託合成

仕様 保証内容 備考
解析に必要なTotal RNA量 50 ng Total RNAでご提出頂くことが望ましい。
RNA エントリーQC アガロースゲル/バイオアナライザーを用いて実施致します。 全てのサンプルについてエントリーQCを実施します。
提供CAGE library 数 ng ゲル精製したDNA断片を作製します。
シーケンスプラットフォーム Illumina
シーケンス保証単位 1,500万リード/サンプル
シーケンスデータ Illuminaファイルでご提供します。 区切られたテキストファイルにはシーケンス情報と品質スコアを含みます。
データ解析 リファレンスゲノムへのマップ→CTSSクラスターの検出→遺伝子発現量の推定→遺伝子発現比較解析を行います。 テーブル/フラットファイル:ローリード数、抽出タグ数、マップされたタグ数などのデータを含んでいます。
納期 約2ヶ月
報告内容 CAGEライブラリー作製に関する報告書
  フラットテキストファイルを参照

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技術概要

nanoCAGE/CAGEscan法は、ダナフォームと理化学研究所(理研)が、遺伝子発現プロファイルやプロモーターを特定する手法として確立したCAGE (Cap Analysis of Gene Expression)法の発展として共同開発した技術です。

CAGE-seqについて

遺伝子発現解析の手法は多くあり、それぞれに利点があります。CAGE-seqと主な遺伝子発現解析の違いは、CAGE-seqがゲノムワイドに転写開始点を正確に同定できるという点にあります。

詳しくは、CAGEライブラリーの技術情報をご参照ください。
CAGEライブラリー技術情報

nanoCAGE法

nanoCAGE法は、プライマー配列の工夫とcDNAの特異的な増幅法の導入によって、ナノグラムレベル(ng:1 ngは10-9グラム)のRNAを解析して遺伝子の転写開始点を決定することができます。

CAGEscan法

CAGEscan法は、nanoCAGE法と同様に微量なmRNAを解析できる上に、mRNA鎖の5'末端と3'側の両方の配列を同時に解析することができます。そのため、5´末端が、自分自身やほかのmRNAの3´側の塩基配列に結合する様子を明らかにして、mRNA間の相互作用を理解することができるようになります。

他の発現解析技術との比較

遺伝子発現解析の手法は多くあり、それぞれに利点があります。 CAGE-seqと主な遺伝子発現解析の違いは、CAGE-seqがゲノムワイドに転写開始点を正確に同定できるという点にあります。
CAGE-seqでは、プロモーター領域の詳細な解析ができるため、特定遺伝子の発現を、制御に関与したプロモーターごとに分けて解析することが可能となり、転写のシグナル伝達のカスケードを明らかにするなど、新しい視点に立ったゲノムアノテーションが可能になります。

主な遺伝子発現解析法の比較
CAGE-seq RNA-seq SAGE マイクロアレイ
未知遺伝子を含むトランスクリプトーム解析 ×
定量性/ダイナミックレンジ ※1
プロモーター部位の同定 × ×
Transcription Factor Binding Motifの予測 × ※2 × ※2
Bidirectional enhancer RNAの同定 × × ×
Alternative Exon1の同定 × ×
選択的スプライシングや融合転写物など遺伝子の構造の同定 × ※3 × ×
全工程にかかる解析所要期間
サンプル調整難易度 × ※4
データ解析ツール
  • ※1 長さのバイアス無い
  • ※2 5'末端はデータベース情報に依存
  • ※3 Sequence depthによる
  • ※4 3日間の工程

論文

nanoCAGE/CAGEscanに関する論文

  1. C. Plessy et al, Linking promoters to functional transcripts in small samples with nanoCAGE and CAGEscan, Nat Methods, 7, 528-534 (2010)
    テンプレートスイッチング反応とセミサプレッシブPCRを用いることにより、解析に必要なtotal RNA量を大幅に削減したプロトコルです。
  2. M. Salimullah et al, NanoCAGE: a high-resolution technique to discover and interrogate cell transcriptomes, Cold Spring Harb Protoc. 2011 (2011)
    NanoCAGEライブラリー調整の詳細なプロトコルです。
  3. D. Tang et al, Suppression of artifacts and barcode bias in high-throughput transcriptome analyses utilizing template switching, Nucleic Acids Res, 41, e44 (2013)
    テンプレートスイッチング反応における非特異的なバイアスをコンピューター処理で除去する方法論に関する論文。
  4. M. Harbers et al, Comparison of RNA- or LNA-hybrid oligonucleotides in template-switching reactions for high-speed sequencing library preparation, BMC Genomics, 14, 665 (2013)
    DNA-RNA、DNA-LNA、DNAの各オリゴヌクレオチドのnanoCAGEライブラリー調整におけるCapされた5'末端に対する特異性を比較した論文。
  5. CH. Chien, Identifying transcriptional start sites of human microRNAs based on high-throughput sequencing data, Nucleic Acids Res, 39, 9345-956 (2011)
    nanoCAGE法を用いてラットのゲノムシーケンスのアノテーションを行った例です。
  6. C. Plessy et al, Promoter architecture of mouse olfactory receptor genes, Genome Res, 7, 528-534 (2011)
    nanoCAGE法により、ごく微量のマウスの嗅覚受容体遺伝子のプロモーター領域を網羅的に解析し、ゲノム上の全ての臭覚受容体遺伝子の87.5%にわたって転写開始点の位置を同定した報告です。
CAGEを使用した論文リストを見る

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